3.中性子導管
中性子が物質の表面で全反射する性質を利用して原子炉で発生した中性子を中性子鏡を使って炉心から遠くまで導き、中性子散乱実験等に供する目的で設置された装置です。中性子が物質の表面で全反射する角度(臨界角)は、
中性子の波長に依存することから中性子導管の曲率半径を変えることによって実験に必要な波長以下の中性子のみを実験装置に導くことが可能となり、実験に有害なγ線や短波長中性子の影響を少なくしています。さらに、
中性子導管を分岐することによって、従来、1実験孔に1つしか設置できなかった実験装置を多数設置することができ研究炉の効率化をはかっています。
JRR-3に設置されている中性子導管は5本あり、それぞれ熱中性子用2本(特性波長2Åが2本)、冷中性子用として3本(時性波長4Åが2本、6Å1本)あり、最長のものは58m になっています。