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 JRR-3の概要

  施設概要  本体施設の概要と主要諸元  中性子導管  冷中性子源装置  JRR-3 の運転

冷中性子源装置説明図(拡大します)  4.冷中性子源装置
 JRR-3 に設置した冷中性子源装置(以下「CNS」という)は原子炉で発生する熱中性子を極低温の液体水素を減速材としてさらに減速し、冷中性子と呼ばれる5meV程度(すなわち4Å程度の長波長)以下の低いエネルギーの中性子に変えることを目的にした装置です。 極力高い冷中性子束を得るために、炉心で最高の熱中性子束となる重水領域に減速材容器を真空断熱層に設置して、この容器に極低温の減速材を貯留します。これによって熱中性子が減速され冷中性子が得る事ができます。この冷中性子をビーム孔から原子炉外に取出し、 中性子導管で導いて中性子ビーム実験に供しています。JRR-3のCNS の減速材は、強い放射線による分解等を避けるために液体水素を用いています。これを基本仕様としてJRR-3のCNS は、縦型設置方式、熱サイフォン冷却方式、水中設置による水素と空気との隔離方式とし ています。極低温の液体水素を得るには、コンデンサーで水素ガスを低温ヘリウムガスにより冷却して凝縮します。この低温ヘリウムガスをコンデンサーに供給するため、CNSは冷凍設備と組み合わせた装置となっており、この冷凍能力は主として核発熱量 及び侵入熱量によって定められています。液体水素を減速材として最適厚さが約3cm程度であり比較的少量で減速できます。このため液体水素を減速材としたJRR-3のCNSは、冷凍能力が少なくて済み、トリチウムの発生も少ないため、装置の規模も小さくでき、保守も 容易で施設からの放出放射能量も極めて少なくなっています。本装置はCNS 本体設備とヘリウム冷凍設備とから成りCNS本体設備は減速材容器、真空容器及び低温流路管からなるクライオスタット、コンデンサー、水素緩衝タンク、補助設備で構成されており、 内部に充填している水素ガスをコンデンサーで低温ヘリウムガスと熱交換させて液化し、これを低温流路管を通して減速材容器に供給、貯留する設備です。ヘリウム冷凍設備はヘリウム圧縮装置、コールドボックス、ヘリウム貯槽、コントロールヒータ等で構成されており、 CNS 本体設備のコンデンサーに低温ヘリウムガスを供給設備です。