5.JRR-3 の運転
JRR-3は1サイクルを5週間として、そのうち26日間は定格出力(20MW)の連続運転を行う共同運転を年間7サイクル実施しています。残りの期間は定期検査及び長時間の運転停止を要する保守、点検作業等に割り当てられています。
5週間(1サイクル)のうちの第1週は炉心冷却、照射試料の取出し、挿入、燃料交換、特殊試料(計装付キャプセル等)の挿入等を行います。同時に低出力(10kW)運転による臨界点チェック及び装荷物の等価反応度の測定を行い、連続運転に必要な余剰反応度の確認を行っています。また、軽微な補修、保守点検も実施されています。
冷中性子源装置の運転は液体水素の冷し込みのために原子炉運転開始の前日(日曜日)から開始されます。
第2週目からは連続運転体制(3交代勤務)が取られ、起動日の午前中(通常11 時起動)には運転が開始されます。原子炉出力は原子炉の安定性、熱出力等を確認しながらステップ状に約4時間をかけて定格出力(20MW)に達しています。それ以降は外気温度、燃料の燃焼度による出力変化等を補償しながら約600 時間の定格運転を継続します。運転最終日(通常金曜日16 時30 分)は手動操作で停止し、約5時間程度の炉心冷却が行われ運転は終了します。
原子炉連続運転中は利用設備のうち冷中性子源装置、水力照射設備、気送照射設備は原子炉とともに連続運転されます。水平実験孔のビーム実験装置はそれぞれにビームシャッターが設けてあるので任意に実験が可能です。